視座
腰痛
青池 勇雄
1
1東京医科歯科大学医学部整形外科学教室
pp.825
発行日 1971年10月25日
Published Date 1971/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904600
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腰痛をおこす疾患の種類は多いので,診断に際して誤診しないように慎重でなければならない.椎間板ヘルニア,Kantenabtrennung,不安定腰椎などを包含する椎間板障害にはdiscogenic lumbagoが起こり得ることが明らかにされている.不安定腰椎には脊椎関節などの関与も除外はできない.このような椎間板障害の病態が明らかにされて,実際多くの腰痛はこの部類に属するものである.しかし,問題はこのような腰痛がその患者の腰痛と同じであるかどうか,誤診していないかどうかが重要である.
レ線像で何らかの病的所見が見つかると,つい,これに気を取られて,軽々しく腰痛の原因のように診断してしまい易い.脊椎分離症,脊椎披裂,移行椎などがそのようなものに挙げられる.
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