臨床病理講座
四肢軟部組織腫瘍の病理(3)—横紋筋肉腫,平滑筋肉腫
佐野 量造
1
Ryozo SANO
1
1国立がんセンター病理部
pp.238-246
発行日 1971年3月25日
Published Date 1971/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904525
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V.横紋筋肉腫
従来の成書に記載されている横紋筋肉腫は巨細胞が出現し多形性細胞肉腫の像を示して横紋の証明されるもののみが本肉腫として扱われてきた.しかし,この形のものは成熟した横紋筋線維を模倣したものであつて,横紋筋肉腫のうちでは分化型に属するものである.
未分化型横紋筋肉腫の存在が知られてきたのは腫瘍病理学の歴史のうちでも比較的最近のことである.結論からのべると,この未分化な横紋筋肉腫は小児の軟部組織腫瘍の第1位を占め,また筆者らの成人を含めた国立がんセンター過去8年間における悪性軟部組織腫瘍の集計においても脂肪肉腫に次いで多くを占めている.
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