論述
最近の体内金属応用による脊柱側彎症治療の進歩
井上 駿一
1
,
寺島 市郎
1
Shun-ichi INOUE
1
1千葉大学医学部整形外科
pp.89-106
発行日 1970年2月25日
Published Date 1970/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904363
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はじめに
脊柱側彎症の治療はながい間もつとも治療困難な脊柱症患として"Crux orthopedica"として考えられてきた.しかしながら今日依然として本態不明な点が多く貽されながらも早期発見,くり返し観察のうえ,体操療法,装具,およびギプス療法を適宜選択するかあるいは組合せ治療により多くの側彎の進行を明らかに防止しえ,さらに進行を制禦しえぬものに対して手術的治療を加えることによって確実な進展予防と矯正保存とが期待できる時代となってきた。
側彎症の手術的治療法としてstapling,肋骨切除術などが行なわれた時代もあるが,現今では固定そのものに対する一部の根強い批判がありながらも最良の手術的治療法として後方固定手術が安定した成績を示している.
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