診療の経験から
慢性骨髄炎の治療について
嶋 良宗
1
Yoshimune Shima
1
1和歌山医科大学整形外科教室
pp.435-442
発行日 1967年4月25日
Published Date 1967/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904224
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慢性骨髄炎をいかにして早く治癒せしめ得られるかと,その治療方法に関する試みは,古くからいろいろとなされてきた.現今,一般に行なわれている方法としては,病巣掻爬,skin dressingや薬液の局所注入,抗生物質の全身投与などであるが,このような治療を施しても再発の杞憂は去らず,なお,長期間の治療法を必要とするのが現状である.そこで,教室では,積極的病巣の掻爬と切除を行ない,かつ,病巣部に対しては,強力,かつ,確実な洗滌を施こし,病的産物をできるだけ速やかに排除し,骨髄炎をより短期間に,より的確に治癒せしめる目的で,局所持統洗滌法に着目し,これに対して,いろいろな改良を加えて,好成績を挙げることができたので,ここにその治療方針の概略を記したが,骨髄炎治療の一助ともなれば,幸である.
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