手術手技
前腕骨近位端部骨折の手術的療法
平川 寛
1
Hiroshi HIRAKAWA
1
1中国労災病院整形外科
pp.137-144
発行日 1969年2月25日
Published Date 1969/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904039
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いとぐち
前腕骨近位端骨折は,橈骨小頭あるいは頸部骨折と尺骨肘頭あるいは冠状突起骨折ならびに脱臼骨折の3つに大別することができる.前腕骨遠位端骨折に比べて頻度が少なく,また肘関節部の骨折として上腕骨遠位端骨折に比べても頻度は少ない.しかし,関節骨折という点で,肘関節あるいは近位橈尺関節の機能に対する影響が大きい骨折であることは,今さら論ずるまでもない.したがつて,骨折片の転位のないもので,噛合あるいは亀裂骨折は保存的に治療するわけであるが,解剖学的整復のために大半は手術的療法が必要となる.
第17図は手術的療法が必要となる前腕骨近位端骨折を模式図で示したものであるが,手術にあたつては骨片の大小,複合骨折の有無・運動時における骨折線離開の有無・神経麻痺・脱臼の合併の有無,年齢などにより手技を考慮すべきである.以下に代表的な自験例を入れながら手術手技とその成績を述べる.
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