検査法
尿酸測定法
高木 康史
1,2
,
御巫 清允
3
1東京薬科大学
2前:京大附属病院中検
3虎の門病院整形外科
pp.93-96
発行日 1966年4月25日
Published Date 1966/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903728
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痛風症が欧米のみならず,吾国でも決して少なくないことは私が今まで繰返し報告し,また大島教授も昭和40年日本内科学会での宿題報告で述べられている通りである.ところで痛風症をいかにして診断するかとなると,一応はSmythらの規準すなわち1.高尿酸血症の存在,2.定型的関節発作,3.コルヒチンに対する反応の3者を以て判断していた.ところが2〜3年来この診断法は必ずしも正鵠を得ないとの批判があつたこともあづかつて新な診断法がなされるに至り,それがさらに痛風発作の解明に直結してきたので,その両者の意味から益々注目されて来ている.その新しい診断法とは痛風発作中,あるいは発作中でなくても関節液を穿刺して,その中の細胞をしらべると白血球が尿酸結晶を喰食しているということであつて,発作中には100%,発作時以外でも相当高率にみられるという.ただこの結晶は必ずしも尿酸でなくてもある一定の化学物質,たとえば蓚酸カルシウム,ビロ燐酸カルシウム,などでも痛風と同様の発作を起こし得るので,その結晶が尿酸であることを確認するには,その結晶を発見したならば,それにウリカーゼを作用させて結晶が消失することを確認しなければ正しい診断とはならない.
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