統計学/整形外科医が知っておきたい
5.多重比較―ANOVAの終焉?
小柳 貴裕
1
1東京歯科大学市川総合病院整形外科
pp.1095-1099
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903637
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統計処理ではt検定やノンパラメトリック法など,20世紀前半に確立された方法が今なお主流である.また分散分析(analysis of variance=ANOVA)なる用語の登場する論文は現在でも枚挙に暇がない.しかし,コンピュータの進化などに伴い,前提や制限が徐々に緩和され,またFisherの提唱した尤度の概念の確立をベースに,多変量解析も判別や重回帰からロジスティック回帰や比例ハザードモデルへと流れが変わりつつある.しかし現在最も過渡期であると思われるのは,今回言及する多重比較であろう.僭越ではあるが,現代でも援用に混乱があることは否めない.統計パッケージは種々の手法が可能となっているが,どれを選択していいのかも当惑する.
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