Japanese
English
論述
手根不安定症を伴ったKienböck病の長期予後
Long-term Prognosis of Kienböick's Disease with Carpal Instability
谷口 泰徳
1
,
玉置 哲也
1
,
阿部 唯一
1
,
本田 高幹
1
,
吉田 宗人
2
Yasunori Taniguchi
1
1和歌山県立医科大学整形外科
2和歌山県立医科大学リハビリテーション科
1Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical University
キーワード:
Kienböck's disease
,
キーンベック病
,
carpal instability
,
手根不安定症
,
long-term prognosis
,
長期予後
Keyword:
Kienböck's disease
,
キーンベック病
,
carpal instability
,
手根不安定症
,
long-term prognosis
,
長期予後
pp.1271-1275
発行日 2001年11月25日
Published Date 2001/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903406
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抄録:今回,われわれは手根不安定症を伴ったKienböck病の長期予後について調査し,Kienböck病と手根不安定症の関係について検討した.症例は16例で,男11例,女5例,罹患側は,右手12例,左手4例であった.Kienböck病の発症時年齢は18~65歳(平均32.3歳),今回の調査時年齢は46~84歳(平均62.4歳)であった.Kienböck病発症後の罹病期間は14年間から最長49年間,平均30.1年間であった.発症後24年以上経過した8例では掌屈回旋した舟状骨に対して、その橈骨関節面がリモデリングされ,橈骨舟状骨間の関節裂隙が温存されていた.手根不安定症による,scapholunate advanced collapse (SLAC) wristの発生は全くみられず,Kienböck病はSLAC wristの原因ではないと断定された.全症例の臨床症状は軽微であり,職業上,ADL上問題を認めなかった.手根不安定症を伴ったKienböck病の長期予後は良好であるため,本疾患に手根不安定症の概念に基づいた治療法は無用である.
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