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特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)
頚椎椎間板ヘルニア後方髄核摘出術
The Posterior Approach for Removal of Ruptured Cervical Discs
馬場 逸志
1
Itsushi Baba
1
1広島市立安佐市民病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hiroshima City Asa Hospital
キーワード:
ruptured cervical disc
,
頚椎椎間板ヘルニア
,
operating microscope
,
手術用顕微鏡
,
posterior approach
,
後方摘出
Keyword:
ruptured cervical disc
,
頚椎椎間板ヘルニア
,
operating microscope
,
手術用顕微鏡
,
posterior approach
,
後方摘出
pp.441-448
発行日 2001年4月25日
Published Date 2001/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903254
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抄録:歴史的に頚椎椎間板ヘルニアの髄核摘出は後方法が主流であったが,前方法の普及とともに後方法は殆ど行われなくなった.近年,手術用顕微鏡を用いた後方髄核摘出の利点が再認識されてきた.当科で過去10年間に施行した177症例の後方摘出術を紹介する.病型は正中型6例,傍正中型44例,外側型103例,椎間孔内24例である.術後成績では根型の平均改善率は84.1%であった.4例を除き根性の疼痛は術直後に全例著効を認めた.正中,傍正中型では,JOA平均改善率は76.8%であり,一過性のC5麻痺を2例に認めた.術後同レベル,同側に再発例が2例にみられた.近年,本邦でも後方摘出の報告がみられるようになってきたが,多くの利点があるにも拘わらず,手技が困難で普及し難い手技と考えられている.顕微鏡下の手術手技に習熟すれば,後方髄核摘出術は侵襲が少なく頚椎椎間板ヘルニアに対する術式選択に加えて認知されるべきであろう.
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