Japanese
English
臨床経験
腰痛を主訴に受診した炎症性腹部大動脈瘤の1例
A Case of Lumbago Caused by Inflammatory Abdominal Aortic Aneurysm
佐藤 正樹
1
,
大熊 雄祐
1
,
柴田 圭一
1
,
増田 彰男
1
Masaki Sato
1
1三井記念病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Mitsui Memorial Hospital
キーワード:
inflammatory abdominal aortic aneurysm
,
炎症性腹部大動脈瘤
,
lumbago
,
腰痛
Keyword:
inflammatory abdominal aortic aneurysm
,
炎症性腹部大動脈瘤
,
lumbago
,
腰痛
pp.233-235
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903218
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:炎症性腹部大動脈瘤が腰痛の原因であった症例を経験したので報告する.患者は52歳,男性.1997(平成9)年11月25日,誘因なく高熱を伴い,腰痛が出現した.近医より坐薬を処方されたが,腰痛と微熱が持続した.同年12月8日,当科を受診した.理学所見,腰椎X線では異常はなかった.血液検査上,WBC 11,300,CRP 10.8,ESR 123/hと炎症反応を認めた.同年12月16日,精査目的に入院した.腰椎MRIで腹部大動脈瘤を認めたので,腹部造影CTを施行し炎症性腹部大動脈瘤と確定診断した.腹部触診にて,拍動性の腫瘤を認めた.同年12月22日,人工血管置換術を施行した.瘤の内膜は欠損しており切迫破裂を起こしていたものと思われた.手術直後より腰痛は消失した.炎症性腹部大動脈瘤は激しい腰腹痛と発熱を伴うことが特徴である.緊急性を要する場合も多いだけに,腰椎の理学所見に乏しい腰痛患者を診察する場合には,本症を鑑別診断に入れておくことが必要である.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.