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シンポジウム 21世記の整形外科移植医療~その基礎から臨床応用に向けて
関節軟骨欠損の修復(骨髄間葉系細胞移植)
Repair of Articular Cartilage Defect by Autologous Bone Marrow Mesenchymal Cell Transplantation
脇谷 滋之
1
Shigeyuki Wakitani
1
1国立大阪南病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka-Minami National Hospital
キーワード:
articular cartilage defect
,
関節軟骨欠損
,
bone marrow mesenchymal cell
,
骨髄間葉系細胞
,
tissue engineering
,
組織再生工学
Keyword:
articular cartilage defect
,
関節軟骨欠損
,
bone marrow mesenchymal cell
,
骨髄間葉系細胞
,
tissue engineering
,
組織再生工学
pp.1457-1463
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903153
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要旨:細胞移植による組織再生において,増殖能と分化能を維持している幹細胞が注目されている.われわれは間葉系幹細胞に近い細胞と考えられている骨髄間葉系細胞を,軟骨欠損修復に利用することを試みた.まず,家兎の実験系で,自己骨髄間葉系細胞移植により関節軟骨欠損修復が促進されることを報告した.この方法をヒトに応用した.2例の膝蓋骨軟骨欠損.および11例の高位𦙾骨骨切り術を受ける変形性膝関節症患者に対し,自己骨髄間葉系細胞移植を行った.移植後数週の早期から欠損部は軟部組織で埋められ,数カ月後には軟骨様組織で修復されていた.これは,これまでの変形性膝関節症における軟骨欠損の修復の報告よりも早い修復であるうえに,組織学的にも優れたものであった.ヒトにおいて自己骨髄間葉系細胞を軟骨欠損部に移植することにより,膝蓋骨の軟骨欠損,および変形性膝関節症の関節軟骨欠損の修復が促進されることが明らかになった.
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