講座
認定医トレーニング講座―画像篇・39
小田 裕胤
1
1山口大学医学部整形外科
pp.80-85
発行日 2000年1月25日
Published Date 2000/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902895
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症例:53歳,女性(図1)
3年前より,時に右腰殿部から大腿の外側にかけての疼痛が出現し,その度に薬物療法で寛解していた.9カ月前より右腰殿部から大腿の外側にかけて疼痛とともに,両側の下腿から足部にかけてのジンジンしたしびれ感が出現し,さらに500mの歩行で間欠性跛行を認めるようになった.この跛行は坐位および前屈位で軽快する馬尾性間欠性跛行であり,以後も跛行で歩行が可能な距離は次第に短縮し,100m以内と増悪したので,当科を受診した.
現症:診察所見ではラセーグ徴候は左右とも90°で陰性.腱反射は膝蓋腱反射が左右とも正常であるが,アキレス腱反射は左右とも消失していた.徒手筋力テストでは長母趾伸筋が両側G+と低下し,両側足背部に軽度の触覚障害を認めた.腰椎の後屈位および左回旋を伴った後屈位で右側腰・殿部から大腿の外側にかけての疼痛が誘発された.
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