整形外科Philosophy
義肢装具領域における国際協力の実践経験に学ぶ
澤村 誠志
1,2
1ISPO(国際義肢装具協会)
2兵庫県立総合リハビリテーションセンター所
pp.1381-1385
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902848
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私が整形外科医を志したルーツは父親にある.父親が19歳の時に,列車の遮断事故で右下腿切断者となった.断端は,7cmの短断端でギロチン切断であったため,皺の多い薄い表皮に被われ,きわめて不良な断端であった.当時はアルミニウム板をたたいてソケットを作り,そこにフェルトをあて,断端袋と包帯を適当に巻いて装着するものであった.勿論,下腿義足は,膝継手,大腿コルセットつきであり,毎日のように数カ所の傷をつくり,特に膝窩部に傷が多く,父にはその傷が見えないために,マーキロクロームを塗るのが小学生であった私の仕事であった.
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