Japanese
English
整形外科基礎
𦙾骨金属板側のポリエチレン摩耗
Wear of Metal-backed Surfaces on Retrieved Polyethylene Tibial Inserts
菅野 吉一
1
,
依知川 潔
1
,
根岸 崇興
1
,
野原 裕
1
Yoshikazu Kanno
1
1獨協医科大学越谷病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Koshigaya Hospital Dokkyo University
キーワード:
polyethylene
,
ポリエチレン
,
wear
,
摩耗
,
knee prosthesis
,
人工膝関節
Keyword:
polyethylene
,
ポリエチレン
,
wear
,
摩耗
,
knee prosthesis
,
人工膝関節
pp.1071-1075
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902520
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:人工関節におけるポリエチレンの摩耗は人工関節のゆるみや耐久年数などに多大な影響を与える.人工膝関節における摺動面の摩耗に関する報告は多数あるが,𦙾骨側金属板とポリエチレン間の摩耗についての報告は少ない.膝蓋骨コンポーネントの破損により再手術を余儀なくされた3例の𦙾骨側ポリエチレンを用いて,𦙾骨側金属板と接するポリエチレンの摩耗を肉眼的および微視的に観察した.金属板側ポリエチレンの内側および辺縁は灰色を呈し,スクリューホールに一致したcold flowを全例に認めた.光顕ではabrasionなどの摩耗が観察され,黒色粒子がポリエチレンに埋め込まれていた.走査電子顕微鏡の2次電子像でscratchingやdeformationを認め,反射電子像では1μmから50μmの白色粒子が観察された.白色粒子のX線元素分析ではチタンが検出された.金属板側ポリエチレンの摩耗は𦙾骨側金属板とポリエチレン間のmicromotionによると推測された.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.