Japanese
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手術手技 私のくふう
胸郭出口症候群に対する末梢神経刺激脊髄誘発電位の有用性と腋窩進入鏡視下第1肋骨切除術の経験
Utility of Spinal Sensory Evoked Potentials and Endoscopic Transaxillary First Rib Resection in the Thoracic Outlet Syndrome
岩﨑 博
1
,
玉置 哲也
1
,
川上 守
1
,
安藤 宗治
1
Hiroshi Iwasaki
1
1和歌山県立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
endoscopic transaxillary first rib resection
,
腋窩進入鏡視下第1肋骨切除術
,
thoracic outlet syndrome
,
胸郭出口症候群
,
spinal sensory evoked potentials
,
髄節性脊髄誘発電位
Keyword:
endoscopic transaxillary first rib resection
,
腋窩進入鏡視下第1肋骨切除術
,
thoracic outlet syndrome
,
胸郭出口症候群
,
spinal sensory evoked potentials
,
髄節性脊髄誘発電位
pp.855-860
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902483
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抄録:胸郭出口症候群の病態診断には各種誘発テスト,血管造影や末梢神経伝導速度検査などが用いられているが,これらの検査が胸郭出口症候群診断に寄与するかどうかについては疑問の点も残されているといわねばならない.また,手術法としては第1肋骨切除術が広く用いられているが,前方進入・腋窩進入それぞれに問題点がある.今回われわれは,末梢神経刺激脊髄誘発電位を用いて機能診断を行った28歳女性の胸郭出口症候群症例に対して,従来の手術方法の欠点を改良すべく腋窩進入鏡視下第1肋骨切除術を施行した.
同手術は長時間を要し,気胸および肋間上腕皮神経障害を合併したが,小さな皮切で良好な視野が得られ術後疼痛も少なかった.今後,本術式を完全に行うためには手技の習熟や肋骨切除用手術器具の開発が必要であるものの,本法は評価すべき手術法の一つとするべきであると判断した.
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