視座
「教育に迷う新米教授が患者さんから教育されたこと」
佐藤 啓二
1
1愛知医科大学整形外科
pp.831
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902478
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有名大学の整形外科学教室の入局者は極めて多数で,入局試験や入局制限等の言葉も聞こえてくる.しかし,私立医大の整形外科の入局者はそれ程多くないので,入局してくれた若い医師たちは金の卵に相当する.折角入局してくれた志ある若い整形外科医たちに対して,できるだけ充実した卒後教育を行いたい,立派な整形外科医を育てたい,それのみが私たち大学の教官に与えられた使命である,とまで考えて生活をしながら赴任後約10ヵ月が経過した.4月には2度目の入局者を迎えようとしている.しかし,現実には,様々なハンディキャップがあり,充実した卒後教育システムを完備するにはほど遠いとの現状認識を持つ一方で,全力を挙げて卒後教育システムのシステムアップを計らないと大学の存亡にも関わるとの危機意識も持つようになった.
そこで実力ある整形外科医と評価される医師を養成するために,どのような卒後教育システムを整えることが必要なのか?という問題に対して,回答を得るべく朝夕と考えをめぐらし続けてきた.それでも確乎たる回答が得られず,あれこれ思い悩む毎日が続いていた.
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