Japanese
English
臨床経験
著明な外旋転位を呈した新生児上腕骨近位骨端離開の長期追跡例
Long Term Outcome of the Proximal Epiphyseal Separation of the Humerus with Extremely External Rotation in a New Born
山崎 智
1
,
小川 清久
1
,
浪花 豊寿
1
,
宇井 通雅
1
Satoshi Yamazaki
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
epiphyseal separation
,
骨端離開
,
spontaneous correction
,
自家矯正
,
rotational deformity
,
回旋変形
Keyword:
epiphyseal separation
,
骨端離開
,
spontaneous correction
,
自家矯正
,
rotational deformity
,
回旋変形
pp.779-782
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902468
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抄録:著しい外旋転位をきたした新生児上腕骨近位骨端離開を12年間追跡した結果,回旋転位の矯正とADL上の著しい改善を認めた.症例は単殿位分娩の際,臍帯が絡まって右上肢挙上位で出生した生後14日目の女児である.初診時,右上肢は外転外旋位にあり,仮性麻痺を呈していた.単純X線では上腕骨骨幹近位部に著明な仮骨形成と鎖骨骨折を認めた.関節造影で脱臼がないことを確認し,経過観察したところ,生下時には70゜以上あったと推測された外旋転位は,12歳時には約40°までに矯正され,ADL上の支障は全くなくなった.
本症による上腕骨の回旋転位は矯正され得ることが確認された.さらに,複合関節としての肩関節を構成する諸要素の代償作用も加わり,著明な改善が起こったと推測された.従って,本症による転位に対する早期手術療法の適応はないと考えられる.
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