Japanese
English
誌上ワーク・ショップ セメント手技の実際
人工股関節置換術における大腿骨コンポーネントのセメント固定法と成績
Cementing Techniques of Femoral Component and Its Results in Total Hip Replacement
木下 勇
1
,
西岡 孝
1
Isamu Kinoshita
1
1徳島大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, The University of Tokushima
キーワード:
total hip replacement
,
人工股関節全置換術
,
bone-cement
,
骨セメント
,
polymethylmetacrylate
,
ポリメチルメタクリレート
,
cement pressurization
,
セメント加圧
Keyword:
total hip replacement
,
人工股関節全置換術
,
bone-cement
,
骨セメント
,
polymethylmetacrylate
,
ポリメチルメタクリレート
,
cement pressurization
,
セメント加圧
pp.597-604
発行日 1997年5月25日
Published Date 1997/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902171
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抄録:人工股関節手術時の大腿骨コンポーネントのpolymethylmetacrylate bone-cementによる固定法の実際について述べた.その最も重要なポイントは,髄腔内へのセメントの充填度にもまして,固定時のセメントへの加圧(cement pressurization)にあり,これによって骨母床へのセメントの侵入によるmicro-interlockingが効果的となる.それには①髄内プラグとセメントインジェクターの使用,②髄腔占拠率の高いコンポーネントの使用,③固定のタイミング,の3点が挙げられる.なかでも固定のタイミングは,セメントのdoughy stage(餅状期)に髄腔へ注入しセメントが可塑性を有する時期の後半に最終の打ち込みを施行する.最も好ましくないのは髄腔占拠率の低いコンポーネントの使用下にセメントの低粘性期に挿入を完了することである.
適切なタイミングで固定するには,絶えずセメントの重合状態を観察し,重合速度に最も大きい影響を与える室温(環境温度)にも注意を払うべきである.
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