視座
高騰する特定保険医療材料費
大谷 清
1
1国立療養所村山病院
pp.217
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902112
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手術,処置,検査等医療技術の急速な進歩に伴って多種多様な医療材料が開発され,その恩恵に浴している患者は多い.整形外科は,特に医療材料を多く使用している.しかし,これら材料の医学的適応もさることながら,材料費の高騰に伴って医療費の材料費へのシフトが問題となり,現況では材料費が整形外科医療費を圧縮しているといっても過言でなくなってきた.
外国製品輸入にたよる,これら材料は厚生省薬務局で使用許可がでると輸入価格で容易に保険適用となってしまう.医療材料は,今や野ばなし価格である.医療機関には医療材料費は購入価格で償遷されていることから,医療機関側にコスト意識がない.失礼な言葉で失敬するが,日本の医師は医療に物を使い,それで儲けるといった考えがある.これは医療制度そのものが,そのような仕組であったからである.このような基盤である限り,物にまつわる不祥事件が発生するのは当然である.
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