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シンポジウム 脊柱側弯症に対する最近の手術療法
多椎体楔状骨切り術による特発性側弯の矯正
Correction of Idiopathic Scoliosis without Spinal Fusion by Closing Wedge Osteotomy on Apical Vertebrae
小島 龍也
4
,
黒川 高秀
1
,
丸山 徹
2
,
鴇田 律
3
Tatsuya Kojima
4
1東京大学医学部整形外科
2国立国際医療センター整形外科
3東芝林間病院整形外科
4帝京大学医学部整形外科
4Department of Orthopaedic Surgery, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
surgery for scoliosis
,
側弯矯正手術
,
vertebral osteotomy
,
椎体骨切り
,
without fusion
,
椎間固定しない
Keyword:
surgery for scoliosis
,
側弯矯正手術
,
vertebral osteotomy
,
椎体骨切り
,
without fusion
,
椎間固定しない
pp.145-151
発行日 1997年2月25日
Published Date 1997/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902097
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抄録:特発性側弯など脊柱変形に対する手術療法の正統はインストルメンテーションによる矯正とその矯正位における脊柱固定である.しかし,脊柱固定は明らかに非生理的である.手術適応とされる特発性側弯の全てに脊柱固定が必須とは考え難い.脊柱を固定しない側弯の矯正術式を開発する必要がある,われわれは脊柱を固定しない側弯矯正術式として,椎体を楔状に骨切除し生じた空隙を閉じて椎体の形を変えることによる側弯矯正を試行した.術後経過が1年を超えた症例は13例あり,経過観察期間は最長7年8カ月,全例骨成熟に達した.この13例中,術後に側弯の進行があり再手術を要した症例が2例,矯正不良のため今後の経過によって脊柱固定の追加を考慮する症例が3例あったが,それ以外の8例は経過から今後側弯の進行の可能性はちいさいと考えた.多椎体楔状骨切りにより側弯を矯正し,その矯正を維持できた症例があった.適応を選べば本術式は特発性側弯に対する手術法の選択の一つであり得る.
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