Japanese
English
臨床経験
舟状骨偽関節に伴う長母指屈筋腱断裂の1例
Rupture of the Flexor Pollicis Longus Tendon Resulting from a Scaphoid Nonunion: A Case Report
室井 眞理子
1
,
田中 寿一
1
,
山下 仁司
1
,
美崎 晋
1
,
柳田 博美
1
,
鄭 昌吉
1
Mariko Muroi
1
1兵庫医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo College of Medicine
キーワード:
舟状骨偽関節
,
scaphoid nonunion
,
長母指屈筋腱
,
flexor pollicis longus tendon
,
皮下腱断裂
,
closed tendon rupture
Keyword:
舟状骨偽関節
,
scaphoid nonunion
,
長母指屈筋腱
,
flexor pollicis longus tendon
,
皮下腱断裂
,
closed tendon rupture
pp.1193-1196
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901231
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抄録:舟状骨偽関節に伴った長母指屈筋腱(FPL)断裂の1例を報告した.症例は63歳の男性(農業).主訴は左手関節痛,1987年11月にドリルに巻き込まれ受傷し,その時近医にて左舟状骨の偽関節を指摘されたが,特に治療は受けなかった.その後左母指IP関節の屈曲不能になったが放置,1991年12月,左手関節の運動時痛と運動制限悪化のため,当科を受診した.X線像上,左舟状骨偽関節と,左母指IP関節の,屈曲障害を認めた.手術時,模骨手根靱帯の欠損があり,この部より手根管内に偽関節部が露出しFPLは完全断裂,示指深指屈筋腱は,ささくれだちの不全断裂を認めた.手術は,偽関節部を病巣掻爬,腸骨よりの襖状骨移植後,Herbert screwによる固定,靱帯欠損部を横手根靱帯の一部で修復,IP関節を腱固定した.8ヵ月後の追跡時骨癒合は得られ,機能的にも経過良好であった.
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