Japanese
English
境界領域
人工膝関節形成術における自己血輸血
Autologous Transfusion in Total Knee Arthroplasty
八木 知徳
1
,
平岡 正毅
1
,
男沢 千啓
2
,
鈴木 哲
2
Tomonori Yagi
1
1手稲渓仁会病院整形外科
2手稲渓仁会病院臨床検査部
1Department of Orthopedic Surgery, Teine-Keijinkai Hospital
キーワード:
人工膝関節形成術
,
total knee arthroplasty
,
自己血輸血
,
autologous transfusion
,
貯血式自己血輸血
,
banked autologous transfusion
,
自己血回収装置
,
cell saver
Keyword:
人工膝関節形成術
,
total knee arthroplasty
,
自己血輸血
,
autologous transfusion
,
貯血式自己血輸血
,
banked autologous transfusion
,
自己血回収装置
,
cell saver
pp.911-916
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900912
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抄録:人工膝関節置換術に伴う術中・術後出血量は1,000mlをこえることがあり,同種血輸血を要することが多い.しかし,同種血輸血は,いまだにC型肝炎を始めとする感染症やGVHDなどの危険があり,安全とはいえない.当科では1988年より人工膝関節形成術症例に対し,術前自己血採血・貯血を行うとともに,術中・術後出血回収法を行ってきたので,高年齢者における術前採血法の安全性,有効性について検討し報告する.
術前貯血群(n=14)の総輸血量は平均1,004mlで,輸血は術前貯血493ml,回収血482ml,同種血29mlで,同種血輸血は1例のみであった.非貯血群(n=14)の総輸血量は909mlで,同種血は471ml,同種血輸血は11例(71%)であった(P<.01).術前採血量が600ml以下であればヘモグロビン値の低下は少なく,合併症も皆無で,自己血輸血法は平均70歳以上の高齢者においても安全で有用な方法である.
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