Japanese
English
臨床経験
胸椎部肥厚性脊髄硬膜炎の1例
A Case of Thoracic Hypertrophic Spinal Pachymeningitis
姜 秀宗
1
,
吉岡 秀夫
1
,
天野 祐一
1
,
金井 秀彰
1
,
武田 善樹
2
Hidemune Kyo
1
1淀川キリスト教病院整形外科
2淀川キリスト教病院臨床病理
1Department of Orthopedic Surgery, Yodogawa Christian Hospital
キーワード:
肥厚性脊髄硬膜炎
,
hypertrophic spinal pachymeningitis
,
硬膜外脊髄腫瘍
,
extradural spinal tumor
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
,
脳脊髄液
,
cerebrospinal fluid
Keyword:
肥厚性脊髄硬膜炎
,
hypertrophic spinal pachymeningitis
,
硬膜外脊髄腫瘍
,
extradural spinal tumor
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
,
脳脊髄液
,
cerebrospinal fluid
pp.103-106
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900774
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抄録:肥厚性脊髄硬膜炎は硬膜の限局性肥厚により脊髄および神経根を圧迫し,さまざまな臨床症状を来す稀な疾患である.我々は胸椎部に発生した肥厚性脊髄硬膜炎の1例を経験したので報告する.症例は48歳の女性で,主訴は背部痛と歩行障害である.両下肢の筋力低下・腱反射の亢進・Th4以下の知覚鈍麻を認めた.血沈亢進,CRPの上昇,脳脊髄液の細胞・蛋白の増加があり,MRIで硬膜管の腫大および不整像を,ミエログラフィーでは完全ブロックを認めた.Th1からTh5までの左側椎弓広範囲切除術を施行し,肥厚硬膜を可及的に切除した.術後,背部痛は消失し,運動.知覚障害も改善した.本疾患の原因は特発性のものが多く,術前診断は困難である.MRI・脳脊髄液検査は脊髄腫瘍との鑑別の上で重要であり,不全麻痺が出現する前に早期診断,早期治療が必要である.
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