Japanese
English
臨床経験
人工膝関節置換術後に生じた深部静脈血栓の1症例
Deep-Vein Thrombosis in the Inguen after Total Knee Replacement: A Case Report
中村 幸夫
1
,
鳥巣 岳彦
2
,
多治見 新造
2
,
内田 六郎
2
,
真角 昭吾
2
Yukio Nakamura
1
1東国東地域広域国保総合病院整形外科
2大分医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Higashikunisaki General Hospital
キーワード:
深部静脈血栓症
,
deep-vein thrombosis
,
人工膝関節置換術
,
total knee replacement
,
空気駆血帯
,
pneumatic tourniquet
Keyword:
深部静脈血栓症
,
deep-vein thrombosis
,
人工膝関節置換術
,
total knee replacement
,
空気駆血帯
,
pneumatic tourniquet
pp.1317-1320
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900473
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抄録:四肢の手術では空気駆血帯は頻繁に使用されている.しかし稀ではあるが,合併症として静脈血栓を起こすことがあると報告されている.今回,両変形性膝関節に悩む78歳女性に対し,空気駆血帯使用下で左人工膝関節置換術を施行したところ,術後5日より患肢に腫脹を来し,3週目に静脈造影により深部静脈血栓と診断された1症例を経験した.静脈造影所見では鼠径部での大伏在静脈の途絶と側副血行路の発達を認め,駆血部の大腿静脈には造影剤の流入はみられなかった.静脈血栓症との診断後直ちにプロスタグランディン製剤の点滴静注を行い,投与後2週にて腫脹は著しく改善した.6週目の静脈造影では血栓はそのままであったが側副血行路は更に著明に発達していた.術後5カ月目の現在,軽度の腫脹は残存するが,肺塞栓の併発はなく,関節可動域も良好であり,ADLに支障はない.
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