Japanese
English
臨床経験
MRSAによる小児大腿骨骨髄炎に膿胸を併発した1例
Methicillin Resistant Staphylococcus Aureus Osteomyelitis of the Left Femur Associated with Empyema in a Child
村上 弘
1
,
松末 吉隆
1
,
小野 講三
1
,
大庭 真央
1
,
山室 隆夫
1
,
真弓 光文
2
,
浅井 康一
2
Hiroshi Murakami
1
1京都大学医学部付属病院整形外科
2京都大学医学部付属病院小児科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto University Hospital
キーワード:
メチシリン抵抗性ブドウ球菌
,
Methicillin resistant staphylococcus aureus
,
骨髄炎
,
osteomyelitis
,
膿胸
,
empyema
Keyword:
メチシリン抵抗性ブドウ球菌
,
Methicillin resistant staphylococcus aureus
,
骨髄炎
,
osteomyelitis
,
膿胸
,
empyema
pp.1313-1315
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900472
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抄録:我々は市中感染によると思われる膿胸を併発したMRSAによる小児大腿骨骨髄炎の稀な1例を経験したので報告する.症例は3歳の男児で,平成2年6月初旬転倒し左膝を打撲した.約1週間後,発熱および左大腿遠位部の著明な腫脹および疼痛を生じ,さらに呼吸器症状が出現した.胸腔内からの膿の培養よりMRSAによる膿胸の診断のもとバンコマイシン,アミカシン等の抗生剤の投与により2回の再燃を繰り返したものの膿胸は軽快した.しかし左大腿部の病変は進行し病的骨折を生じたため,8月下旬に病巣掻爬と10日間のバンコマイシンによる持続洗浄を施行し,2カ月のギプス固定を行った.4カ月半後,骨癒合は良好で疼痛も消失し全荷重歩行は可能である.我々の渉猟しえた範囲では本邦でのMRSAによる小児大腿骨骨髄炎の報告は2例のみで,膿胸を併発した重篤な例はない.MRSAの増加している現在,このような症例の増加が予想され注意を要する.
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