Japanese
English
臨床経験
小児多発性骨結核(BCG骨髄炎)の1例
A Case Report of Multiple Bone Tuberculosis (BCG-osteomyelitis)
藤田 秀隆
1
,
細野 昇
1
,
米延 策雄
1
,
江原 宗平
1
,
小野 啓郎
1
,
原田 茂
2
Hidetaka Fujita
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
2結核予防会大阪病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University, School of Medicine
キーワード:
小児
,
infant
,
BCG接種
,
BCG-vaccination
,
骨髄炎
,
osteomyelitis
,
結核
,
tuberculosis
Keyword:
小児
,
infant
,
BCG接種
,
BCG-vaccination
,
骨髄炎
,
osteomyelitis
,
結核
,
tuberculosis
pp.207-211
発行日 1991年2月25日
Published Date 1991/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900294
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抄録:小児多発性骨結核の1例を報告する.患者は3歳,男児.背部痛にて発症し,単純X線で第1腰椎が均一に圧潰偏平化しており,好酸球性肉芽腫症または結核性骨病変が疑われた.胸部X線には肺結核の所見もなく,喀痰,胃液,尿培養でも結核菌を証明できず,鑑別診断のため生検を施行したが,HE染色による組織所見では両者の鑑別が依然として困難であった.そこで,酵素抗体法による染色を施行した.検体はリゾチーム染色,抗BCG抗体を用いた染色で強く染色され,S 100蛋白染色では,ほとんどの細胞が染色されなかったことより,免疫組織化学的には結核性病変と判定した.臨床的には,抗結核剤投与とともに急速に炎症所見は改善し,X線上,骨破壊所見も改善した.これらより,本疾患を多発性骨結核と診断した.更に,この患者には,BCG接種後の難治性皮膚炎の既往があることより,BCG接種後のBCG骨髄炎も疑われたので,それらに関する考察を加えて報告する.
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