書評
救急整形外傷レジデントマニュアル 第2版
千葉 純司
1
1東女医大東医療センター・整形外科学
pp.330
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201321
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藤田医大病院は,毎年日本で最も多くの救急搬送患者を受け入れており,その中で,中心的役割を果たしているのが,田島康介教授である.田島教授のより早く,より正確な診察,診療には,われわれ整形外科医も,畏敬の念を抱いている.欧米では「外傷学」,「外傷整形外科学」が確立されているが,この分野においてわが国は,医療後進国と言わざるを得ない.その中で,田島教授は優れた指導者として,常に後輩医師達の指導に当たっており,本書は多くの症例経験を積んできた田島教授ならではの非常に論理的な内容の解説書となっている.
医療の対象は当然ヒトではなく人であり人間である.患者さんの人権尊重を医療行為の基本とすべきは言うまでもない.この姿勢から患者さんの信頼を得るあらゆる具体的行動が生まれる.診療技術の優劣が患者さんの治療成績や信頼関係に重要であり,高度な医療技術を維持する必然性もここから派生する.
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