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書評 —上級医の頭の中が言語化された,研修医のバイブル—京都ERポケットブック
池上 徹則
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1倉敷中央病院救急救命センター救急科
pp.846
発行日 2018年9月25日
Published Date 2018/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201180
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本書は洛和会音羽病院救命救急センター・京都ERで「バイブル」とされてきた院内向けマニュアルを書籍化したものです.臨床教育病院の雄として名をはせる音羽病院由来のものだけあり,随所に秀逸なエッセンスが詰め込まれています.
まずは冒頭数十ページの「原則編」にお目通しください.多くの医師にとってERという特殊な環境と特別な時間軸の中で診療することは容易ではなく,またその特殊性を研修医の先生方に伝えることも困難ですが,ここでは患者さんの臨床像の変化に対する時間経過とその考え方,救急外来での診療の流れにおける時間とその考え方が非常に明快に記述されています.そして,これら「時間」についての考え方は,以下「検査編」を経て「トリアージで考える 主訴別アプローチ編」では,さらに緊急度を付与して整理されるなど,本書を通して幹のように貫かれています.
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