Japanese
English
Lecture
人工手関節
Total Wrist Arthroplasty
三浪 明男
1
Akio MINAMI
1
1独立行政法人労働者健康安全機構北海道せき損センター
1Hokkaido Spinal Cord Injury Center
キーワード:
人工手関節置換術
,
total wrist arthroplasty
,
リウマチ性手関節
,
rheumatoid wrist
Keyword:
人工手関節置換術
,
total wrist arthroplasty
,
リウマチ性手関節
,
rheumatoid wrist
pp.317-325
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201060
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諸言
正常な関節は無痛性,可動性,安定性,適合性,耐久性を兼ね備えている.人工関節は一般的にこれらのうち,安定性,耐久性に難点があるとされている.近年,各部位の人工関節のうち,股関節,膝関節に対する人工関節は,人工関節の持つ欠点をほぼ克服し,良好な機能を有した機種が開発されており,これらの関節への人工関節置換術は確立した手術術式となっている.一方,肩関節から手指にかけての上肢関節に対する人工関節置換術の長期成績は,下肢関節に対するそれと比べると明らかに劣っている.事実,関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)治療に対するガイドラインにも肘関節以外の上肢人工関節置換術は絶対適応とはなっていない.人工手関節に関しても同様であり,欧米においては多くの機種が開発され,臨床応用されているが,それらの短中期成績は必ずしも満足すべきものではなく,revision rateも依然として高い値である.
筆者らはわが国において,ほとんど未開発である人工手関節の開発研究を行い,製作した新規人工手関節を用いた人工手関節置換術の医師主導型臨床治験を行い,良好な結果を得た.その結果をもとに,医薬品医療機器総合機構(PMDA)により許可され本邦初の人工手関節(DARTS人工手関節)が市販されるようになった.本稿では人工手関節の現状,問題点,新規人工手関節の開発研究,臨床応用などについて報告する.
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