視座
日仏整形外科
大橋 弘嗣
1
1大阪府済生会中津病院整形外科
pp.1145
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200392
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整形外科(Orthopédie)という言葉は,フランスのNicolas André(1658〜1742)が初めて用いたことから,フランスは整形外科発祥の国とも言えます.以後,フランス整形外科はアングロサクソン系のものとは異なった天才的な独創性を持って発展し,脊椎ではCalvé, Cotrel, Dubousset,肩関節ではLatarjet,手ではKapandji, Dupuytren,股関節ではJudet,膝関節ではTrillat,外傷ではKempfなど,現代にまで名を残した巨匠に枚挙にいとまがありません.
このようなフランス整形外科に興味を持たれた日本の先生方が1950年頃から留学され,日仏整形外科の交流が始まりました.その後も個人的な努力でフランスに留学された先生はおられましたが,おそらくフランス人が英語での発表を好まなかったこともあり,フランス整形外科はあまり注目されませんでした.このような中,日仏両国からお互いの交流を深めようという気運が高まり,1987年に七川歓次先生を会長として日仏整形外科学会が設立され,同年11月に神戸で第1回の学会が開催されました.一方,フランス側はCharles Picault先生を会長として会員が募られ,日仏両国が共同して行う日仏整形外科合同会議が1990年11月にパリで開催されました.その後,それぞれの会は隔年ごとに行われ,2015年6月にはフランスのサン・マロで第13回日仏整形外科合同会議が開かれ,日本からおよそ200名の参加がありました.
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