連載 整形外科の歴史・4
足の外科の歴史
高倉 義典
1,2
1奈良県立医科大学
2西奈良中央病院
pp.358-363
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200181
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足の外科の歴史は古今東西,変形の矯正で始まったと言っても過言ではない.海外の古い記述を紐解くと,ヒポクラテス時代(BC4世紀)に遡り,足部・足関節では内反足の整復法が記述されているのが,最初と言われている.一方,ポリオの下肢や足の変形と思われる症状も紀元前からエジプト,ギリシャ,中国などで見受けられる.その後の足の外科関連の治療としては,近世のDelpech(1816)やStromeyer(1853)の内反足や麻痺足に対するアキレス腱の切腱術に至る.
わが国でも,足部の変形に対しては,奈良時代の養老令・令義解の障害者の等級表の中に足趾や足の変形が掲載されている.また,日本最古の医学書と言われる丹波康頼が編集した「医心方」(984)には,蹇(あしなえ)という足部の障害の記載が少しはあるが,多くの医学に関する書籍に足部に関する報告はない.
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