連載 整形外科の歴史・3
膝半月板を巡る小史
小林 晶
1,2
1日本整形外科学会
2日本医史学会
pp.265-272
発行日 2015年3月25日
Published Date 2015/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200150
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はじめに
現今,膝関節領域では前十字靱帯,人工関節置換術,変形性関節症に話題が集中している.これ以外の話題が隅に押しやられている感がある.このこと自体が過去からみた歴史の趨勢と考えられる.日本整形外科学会(以下,日整会)の演題および会誌(以下,日整会誌)を繙いても,時代に沿った必然性のある疾患が,興味の中心を占めているのは当然であろう.
総論的な膝関節外科の歴史はすでに2014年に吉矢によって述べられているので63),本稿では紙数の関係もあり,半月板(整形外科学用語集では半月やメニスクスも採用されているが,以後「半月板」に統一する)を巡る話題に絞って記述したい.半月板に関する話題をさまざまの観点から,よく知られた研究と同時に今まで陽の当たらなかった,いわば先人の蔭の努力の跡も紹介したい(以下敬称略).
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