Japanese
English
Lecture
iPS細胞で整形外科治療はどう変わるか
iPS Cell Technology. Its Impact on the Field of Orthopaedic Surgery
妻木 範行
1
Noriyuki TSUMAKI
1
1京都大学iPS細胞研究所(CiRA)増殖分化機構研究部門細胞誘導制御学分野
1Department of Cell Growth and Differentiation, Center for iPS Cell Research and Application, Kyoto University
キーワード:
細胞リプログラミング
,
cell reprogramming
,
iPS細胞
,
induced pluripotent stem cells
,
ダイレクト・リプログラミング
,
direct reprogramming
,
軟骨再生
,
cartilage regeneration
,
疾患モデル
,
disease model
Keyword:
細胞リプログラミング
,
cell reprogramming
,
iPS細胞
,
induced pluripotent stem cells
,
ダイレクト・リプログラミング
,
direct reprogramming
,
軟骨再生
,
cartilage regeneration
,
疾患モデル
,
disease model
pp.63-70
発行日 2014年1月25日
Published Date 2014/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102939
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2012年のノーベル医学生理学賞がiPS細胞を開発した山中伸弥教授に授与された.ジョン・ガードン博士との共同受賞で,授賞理由は,“for the discovery that mature cells can be reprogrammed to become pluripotent”すなわち,「成熟した細胞を多能性細胞へとリプログラムできることの発見」である.iPS細胞は,細胞リプログラミングによって作られる細胞である.iPS細胞を応用することで,新たな治療方法が生まれることが期待されている.
本稿では,細胞リプログラミングとiPS細胞について説明した後,iPS細胞技術によって整形外科疾患の理解や治療についてどのような新しい研究が現れるか,現時点で期待されていることを概説する.それらは,1)疾患iPS細胞モデルによる病態解明と創薬,2)iPS細胞ストックによる細胞移植治療,3)生体内ダイレクト・リプログラミングである.「現時点で」と書いたのは,将来,若い先生方が斬新な発想でiPS細胞を使った研究を行い,思いもよらない新たな治療方法を開発するだろうからである.また,全く別のブレークスルーを見つけ,その技術を組み合わせて新規の治療方法が誕生する可能性もある.本稿に紹介する応用を例にして自由に発想していただきたい.
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