連載 整形外科最前線 あなたならどうする?・18
整形外科最前線 あなたならどうする?
柳川 天志
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1群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻器官機能制御学整形外科学
pp.587-589
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102732
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症例
患者:68歳,男性
主訴:尾骨部痛
既往歴:胃癌,大腸癌
現病歴:2009年3月から尾骨周辺に疼痛を自覚していた.前医で撮像したCTで仙骨の腫瘍性病変を指摘され,4月に当科を紹介され受診した.MRIでは骨外浸潤を伴う仙骨病変を認め(図1),生検で脊索腫の診断となった.手術治療と重粒子線治療の両者の説明を行ったが患者は手術治療を選択したため,2009年5月に骨腫瘍摘出術を行った.その後,2011年3月のフォローアップのMRIで仙骨の上位まで浸潤する再発腫瘍が確認された(図2).手術による摘出は侵襲が大きくなると判断されたため,2011年5~6月に重粒子線治療を行った.経過は良好であったが,2011年11月に患部に腫脹と疼痛を自覚し,その後に同部から排膿を認めたため当院を再診した.
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