書評
『図解 腰痛学級 第5版』
菊地 臣一
1
1福島県医大・整形外科学
pp.1179
発行日 2011年12月25日
Published Date 2011/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102202
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疾患概念の劇的な変化という観点からすれば,「腰痛」は代表的な一つに挙げられるであろう.と同時に,医療の評価基準も,近年,革命的といえるほど変わってしまった.
捉え方の変化の代表的な点として,まず,急性腰痛の単なる遷延化が慢性腰痛ではないということが明らかになった.そして,関与因子として心理・社会的因子が,われわれが従来認識していた以上に早期から深く関与していることもわかってきた.次に,非特異的腰痛はできるだけ医療の対象化にしないことの重要性への認識,すなわち自己管理の推奨である.最後に,患者自身が治療の選択,実施の遂行に積極的に参加することが治療成績や満足度を考えるうえでも大切である点がわかってきたことである.
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