最新基礎科学/知っておきたい
HIF2A(hypoxia inducible factor 2α)と変形性関節症
齋藤 琢
1
1東京大学医学部附属病院ティッシュエンジニアリング部骨軟骨再生医療寄附講座
pp.1138-1142
発行日 2011年12月25日
Published Date 2011/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102191
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■はじめに
変形性関節症(osteoarthritis;OA)は運動器変性疾患の代表であるが,骨粗鬆症など他の運動器疾患と比して分子病態の解明は遅れている.東京大学医学部では,整形外科を中心にティッシュエンジニアリング部,22世紀医療センター,疾患生命工学センターが広く連携し,OAの病態解明から,診断ツール,予防法・治療法の開発を目指した戦略的統合研究ROAD(Research on Osteoarthritis Against Disability)スタディを立ち上げた.本スタディでは分子生物学的な病態研究や再生医療研究に加えて,ゲノムと環境因子情報を詳細に網羅したデータベースの構築と解析,客観的で定量的な診断法と評価基準の確立など,幅広い分野での研究を展開している.
本稿では,OAの分子病態について転写因子hypoxia inducible factor 2α(HIF2A)を中心に解説する.
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