連載 医者も知りたい【医者のはなし】・41
Chemie(Chemistry)に化学と名付けた医師 川本幸民(1810-1871)
木村 專太郎
1
Sentaro Kimura
1
1木村専太郎クリニック
pp.836-839
発行日 2010年9月25日
Published Date 2010/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101804
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■はじめに
私には,兵庫県宝塚で開業している友人がいる.彼の家の近くの名塩に緒方洪庵の妻八重の生家があり,また宝塚の北,摂津三田に江戸時代の蘭学者で理化学に造詣の深かった川本幸民の生家がある.彼は嘉永6年(1853)に黒船が到来して,その宴会の席で「ビール」を飲んだことを知り,日本で最初のビールを造ったり,またマッチも製作している.その業績から幸民は,日本化学の祖とも言われる.余談であるが,最近の話題人・白洲次郎の故郷も三田である.
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