国際学会印象記
第13回FESSH(欧州手の外科連合学会)印象記
水関 隆也
1
1広島県障害者リハビリテーションセンター
pp.1022-1023
発行日 2008年10月25日
Published Date 2008/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101383
- 有料閲覧
- 文献概要
昨年シドニーで開かれたIFSSH(国際手の外科連合)のシンポジウムでご一緒したスイス,ロザンヌ大学のEgloff教授から突然1通のメールが届いた.彼が会長を務める欧州手の外科連合学会(以下,FESSH)への講演招待であった.彼とは会場で挨拶をする程度の間柄であったので応召に躊躇したが,欧州の手の外科を知るよい機会と心得て参加を決意した.私にとっては今回が初めての参加となったFESSHではあるが,いろいろな意味で勉強になった学会であった.会場はロザンヌ市の山手に位置するBeaulieuという総合展示/会議場(図1)で行われた.欧州ハンドセラピスト学会も同時に開催され,ここでも一つ講演を依頼された.もとより手の外科学会とハンドセラピスト学会は表裏一体のようなものではあるが,両者の関係は日本よりも親密な印象を受けた.
主催者側の発表によると参加者は1,520人であった由.主に欧州からの参加であったが,東アジア,中東,北米,南米からも参加がみられた.日本からの登録者は10人前後であったであろうか若い先生の参加が多かった.口演発表で数題採用されていたが,臆することなく堂々と発表された彼等の姿をみると何か嬉しくなってしまった.会場は口演3会場とポスター1会場であった.日本の全国学会でみられるような同時に5~6会場で口演発表ということもなかったので,興味のある分野は大体聞けるような枠組みであった.内容は玉石混交という感じで採用基準に不明確さも感じた.日本で既に発表されたと同じような内容のものが発表されたり,とてもわれわれには受け入れられないような手術法の発表があったりで驚かされることも間々あった.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.