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第35回Cervical Spine Research Society(CSRS)が,2007年11月29日から12月1日の3日間にわたり,アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコのPalace Hotelで開催された.本学会は1973年にニューヨークで第1回学会が環軸関節回旋位固定で有名なJ. William Fielding会長のもと開催され以来,毎年アメリカの主要都市で開催されている,頚椎を主体とした脊椎脊髄の臨床と基礎系の学会であり,最も歴史と由緒ある学会の1つである.日本からも古くから多くの諸先輩の先生方が参加し,数多くの優秀な演題を発表されている.筆者は今回が4回目の参加でありいわば新参者であるが,本学会の内容と印象を紹介したい.
本年度はUtah大学脳神経外科学教授のRonald I. Apfelbaum先生(写真1)が学会長を務められ,約500人が参加し盛大に開催された.学会参加者は欧米の脊椎脊髄外科医が主体であるが,ここ数年は日本からも多くの脊椎脊髄外科医が参加している.本学会は他の国際学会に比べて演題の採択率が低いため,発表できる機会を与えられることは非常に名誉なことである(ちなみに今回の応募演題数は約500題で,採択は口演が54題,ポスターが85題であった).したがって,選りすぐりの質の高い演題に対し,専門性の高い討論が繰り広げられる.口演会場とポスター会場は各1会場であるが,ポスターの討論はwelcome receptionの間に2時間ほど行われるのみで,その学会の主体は口演である.本年度はサンフランシスコという土地柄もあり,非常に和やかな雰囲気の中での開催であったが,いざpaperの発表が始まるとその雰囲気は一転し,非常に活発な討論が交わされた.これがまさに本学会の醍醐味であり,魅力であろう(写真2).
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