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眼瞼下垂の一型について—1869年
J.F.Horner
,
吉岡 愛智郎
pp.834-835
発行日 1965年12月25日
Published Date 1965/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904254
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成人において,動眼神経領域にはなんらの随伴麻痺症状もなく,そして同側の縮瞳(Myosis)という顕著現象を呈して,徐々に発生する不完全眼瞼下垂症(Ptosisincompleta)の症側ででくわした人は、おそらく同学の士に多いことであろう。昨年の11月末にそれをもつた40才の一人の婦人が私の前に現われたとき,この病像は私にとつて別に新しい症候群ではなかつた。その数週後にふたたび私はこの症候群をみたが,こんどもほとんど同年配の婦人であつた。しかし,この眼瞼下垂型を理解するために,その最初の症例ほど興味をそそる所見を集め得た例はなかつた。そこで,ここではこの患者について報告したいと思う。
Anna Brändli夫人,40才。健康そうな中等大の体格の農婦で,すでに若いときからよく頭痛に悩んだという。それは,どこに特に好発したということはなく,昨年1年の間はむしろその激しさと頻度とを減じていた。
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