Japanese
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誌上シンポジウム 変形性膝関節症―最近の進歩
疼痛の原因組織からみた変形性膝関節症の手術療法選択
Selecting Surgical Treatment for Osteoarthritic Knee Depending upon Tissues Causing Knee Pain
佐粧 孝久
1
Takahisa Sasho
1
1千葉大学大学院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University
キーワード:
osteoarthritic knee
,
変形性膝関節症
,
knee pain
,
疼痛
,
subchondral bone
,
軟骨下骨
,
surgical treatment
,
手術療法
Keyword:
osteoarthritic knee
,
変形性膝関節症
,
knee pain
,
疼痛
,
subchondral bone
,
軟骨下骨
,
surgical treatment
,
手術療法
pp.29-34
発行日 2007年1月25日
Published Date 2007/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100814
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変形性膝関節症の手術療法を選択する際に,どの組織が疼痛の原因となっているかを考慮し分類することにより,適切な治療法が選択できることを提案した.疼痛の原因となりえるのは半月板,軟骨デブリス,関節包など軟部組織および軟骨下骨である.特に軟骨下骨は進行例において疼痛の発現に関与しており,疼痛の原因自体ともなっていることを示した.したがって軟骨下骨に明らかな変化が出現しているような症例では手術時に軟骨下骨を切除することになる人工膝関節置換術が適切な治療法であるといえる.また,軟骨下骨の変化が少ない例ではそれぞれの組織に対応した手術法を選択することも念頭に置くべきと考えた.さらに,軟骨下骨に生じる病理学的変化はMRIで捉えることが可能であり,変形性膝関節症の重症度の指標となっていることを示した.この指標に基づく治療法選択も将来的には可能となることも併せて示した.
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