座談会
日本の整形外科を考える(第76回日本整形外科学会特別企画より)
山内 裕雄
1
,
国分 正一
2
,
角南 義文
3,4
,
本田 忠
5
,
山本 博司
6,7
1順天堂大学
2東北大学
3竜操整形外科病院
4JCOA
5本田整形外科クリニック
6高知医科大学
7JOA
pp.322-327
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100396
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整形外科医の適正数
山内 日本の整形外科医は全医師数の約8%近くになります.一方,アメリカでは数年前にこのままでは5%近くになるというので,新レジデント数を制限することとなり,韓国も同じことを始めたようです.これには整形外科医の守備範囲が大きく関係します.アメリカの整形外科医は手術に偏っているため,数が増えると競合が激しくなるために,この問題は切実ですが,日本は必ずしもそうでありません.
山本 現在の数が適正かは難しい問題です.最近,学生の整形外科医の希望数が減る傾向にあるとの意見を受け,現在日整会で調査しています.専門医試験の受験者数も3年ほど前からやや減少傾向です.近いうちに動向を報告します.
国分 私は3年ほど前に,人口補正をして日本と各国の整形外科医専門医数を比較したところ,日本に比してアメリカ58%,カナダ41%,英国41%,韓国70%,香港54%で,どの国も日本より少なく,さらに減らし始めています.ことに英国ではGP(general practitioner)が存在し,整形外科医の多くは手術ばかりです.このGPの役割を,日本では多くの整形外科開業医が果たしています.日本にはアメリカの約2倍の専門医がいますが,多いという感覚はありません.役割が分業化していますが,今後もそれを進めざるを得ないのではないでしょうか.
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