整形外科/知ってるつもり
時計遺伝子
岡村 均
1
,
増淵 悟
1
1神戸大学大学院医学系研究科脳科学講座分子脳科学分野
pp.652-655
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100329
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■はじめに
生命活動の中で周期的な現象を生体リズム(biological rhythm;生物リズム)と呼ぶが,このうち約24時間周期で繰り返すリズムをサーカディアンリズム(circadian rhythm:概日リズム;circa=約とdies=日というラテン語からの造語)という.最近,このリズムが,一群の時計遺伝子により生み出されることが明らかとなった.この時計遺伝子は全身の数十兆もの身体の細胞すべてに存在する.この全身の細胞レベルのリズムを統括するのが視床下部の視交叉上核であり,ここからのリズム信号は,睡眠覚醒,ホルモン分泌や細胞分裂まで,実に多くの身体機能のリズムを司る.最近,この脳からの時の信号を伝えるメッセンジャーとして副腎皮質ホルモンが注目を集めている.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.