最新基礎科学/知っておきたい
DC-STAMP
八木 満
1
,
宮本 健史
1
,
須田 年生
2
,
戸山 芳昭
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
2慶應義塾大学医学部発生・分子生物学
pp.1314-1316
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100230
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骨量は骨形成を担う骨芽細胞と骨吸収を担う破骨細胞の繊細な協調により維持されている.何らかの原因で両者のバランスに狂いが生じたとき,骨粗鬆症,大理石様骨病などの骨量異常を生じる.これらの病態は破骨細胞の異常な活性化または機能障害であり,病的骨折のほか,骨髄炎,関節リウマチなどの炎症性疾患でも破骨細胞の活性化による骨,関節破壊を認めることから,破骨細胞の生物学的理解は骨代謝疾患を理解するうえで重要である.
破骨細胞は造血幹細胞に由来し,単球/マクロファージと共通の前駆細胞に分化した後,骨芽細胞からのサイトカインM-CSF(マクロファージコロニー刺激因子)の刺激によりRANK(receptor activator of NFκB)受容体を発現し,続くRANKLの刺激により単核の破骨細胞に分化する.単核の破骨細胞が細胞融合を起こすことで,時に100核以上の巨大な多核の成熟破骨細胞が形成されることが知られている1,7)(図).
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