特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧
Ⅷ.膵癌
膵癌に対する膵体尾部切除術
江上 寛
1
,
廣田 昌彦
1
,
小川 道雄
1
Hiroshi EGAMI
1
1熊本大学医学部第2外科
pp.272-276
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904667
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はじめに
膵体尾部癌はその解剖学的位置関係から臨床症状の発現が遅く,多くは無症状で経過する.このため発見される膵体尾部癌は進行したものが多く,切除不能となる症例が多い.
膵体尾部切除術は膵体尾部に限局した膵癌に対して行われる.膵体尾部に存在する癌であっても,その広がりによっては膵全摘術や血管合併切除を伴う拡大切除の適応となる.膵体尾部切除術の術式選択に際しては,術前画像診断により病巣の広がりを正確に把握し,その根治性を評価したうえで適応を決定する必要がある.
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