Japanese
English
特集 外科と消毒と感染予防
病棟での創処置と回診順序
Wound care and round order in the ward
吉田 順一
1,2
,
田中 雅夫
2
Junichi YOSHIDA
1,2
1九州大学医学研究院臨床・腫瘍外科
2下関市立中央病院呼吸器外科・感染管理委員会
キーワード:
感染対策
,
回診順序
,
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
Keyword:
感染対策
,
回診順序
,
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
pp.1233-1238
発行日 2001年9月20日
Published Date 2001/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904572
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本邦の外科感染対策は,その黎明期においてListerの無菌手術をいち早く導入したが,近年はわが国特有の処置を残している.本稿ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの接触伝播路を絶つため,evidenceに基づく病棟の感染対策を記載する.膿盆や鑷子立てには盲点があり,これらを撤廃して入院におけるMRSAの全黄色ブドウ球菌内の比率が減少した.回診順序も清潔例→一般例→感染例とゾーン順に改め,MRSA検出ゼロ17か月の記録を達成できた.また迅速かつ的確な感染サーベイランスも,伝播状況やルート解析に重要である.今後も新興感染症の脅威のもと,病棟処置の見直しが必要であろう.
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