特集 薬物療法マニュアル
Ⅰ.救急患者の薬物療法
8.外因による障害
中毒
西岡 憲吾
1
,
石原 晋
1
Kengo NISHIOKA
1
1県立広島病院救命救急センター
pp.100-101
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903790
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はじめに
中毒を引き起こす原因物質は医薬品,家庭用品,化学薬品,農薬など多彩に存在し,中症が起こる形態の様式も事故,自殺,誤飲,テロ行為など多岐にわたっている.急性中毒の治療において最も重要なことは全身管理と原因物質の同定,中毒原因物質の体内からの除去である.原因物質が同定でき,その解毒拮抗剤が存在すれば,その拮抗剤を投与することでその中毒作用を減弱させたり,症状を改善することができる.ただ,原因物質を早期に同定することは必ずしも容易ではなく,解毒拮抗剤が存在しないこともある.その場合は呼吸管理,循環管理,体液管理,感染防止,栄養管理など非特異的な治療,対症療法を駆使して治療にあたらなくてはならない.
非特異的な中毒原因物質の体内からの除去手段としては水洗,催吐,胃洗浄,下剤・活性炭投与,腸洗浄などによる未吸収毒物の除去,強制利尿,血液浄化法などの排泄促進がある.
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