特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅰ.外来患者の診察法
4.身体所見の取り方
門田 俊夫
1
Toshio KADOTA
1
1埼玉医療生活協同組合羽生病院外科
pp.18-19
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902881
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診療の進め方
外来診療では,いかにして必要かつ十分で正確な情報を,限られた時間内で得ることができるかが勝負の分かれ目となる.そのため,医師には医学知識だけでなく,communication skillを核とした診療技術の研鑽が求められる.米国の医学教育と比較して,日本では診療技術の教育が軽視されているのが現状で,きわめて残念なことである1).
患者が医師を信頼し,安心して診察を受けられる雰囲気を作ることも,診療技術の大きな要素である.いかに医学知識が豊富でも,言葉使いや身なり,態度が粗雑であれば,患者との間に良好なdoctor-patient relationshipを形成することなど不可能である.これは自分が患者になった時のことを考えてみれば容易に理解できよう.きちんとした身なりで話し方もしっかりし,常ににこやかで患者に同情的な態度を持ちつつも自信に満ちた医師と,その一方で,身なりがだらしなく白衣も汚れ,素足にサンダルをつっかけただけの,ぶすっとしたぞんざいな医師(このようなプロ意識の欠如した医師を散見するが,どういう了見なのだろうか)のどちらを患者は信頼し,身と心をゆだねるであろうか.この際患者にとって医師の年齢や肩書きはあまり問題にならない.
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