特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方
(Q8)自動縫合器使用時,余ったステイプルが腹腔内に落ちないようにする工夫は.
吉野 肇一
1
Keiichi YOSHINO
1
1東京歯科大学市川総合病院外科
pp.1008
発行日 1997年8月20日
Published Date 1997/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902797
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アンビル側にグリセリン等の粘性のあるものを塗布して,組織にかからないステイプルをアンビルにくっ付けてしまうとか,術野にガーゼを敷いたその上で縫合器を使用するなどの工夫がされている.なお,チタニウムは磁性が弱いので,磁石で吸着することはできない.
このような遊離ステイプルは,臨床上,大きな障害にならないものと理論的ないし経験上考えている.理由は,現在のステイプルの材質はチタニウムまたはチタニウム合金で,生物学的な活性は低く,かつ,ファイア後B字型となり,鋭的な局面はなく,人体に直接的な悪影響を及ぼす可能性がきわめて低い,実際に遊離したステイプルによる障害を認めたことがない,などである.また,CTやMRIの画像への影響もほとんどないか,あってもごくわずかである.
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