特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅲ.注意すべき状態の術前患者管理
高齢の患者
平松 毅幸
1
,
谷若 弘一
1
,
内田 宏昭
1
,
金沢 孝満
1
,
高林 直記
1
,
小林 亮
1
,
原 宏介
1
,
富山 次郎
1
1焼津市立総合病院外科
pp.390-391
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902529
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術前検査と重症度の判定
手術の危険因子の一つとして「高齢の程度」を評価するには,まず,全身の動脈硬化の度合を知ることが重要である.
動脈硬化症の重症度の判定に関しては,我々は,脳動脈硬化症では6か月以内に脳卒中発作(一過性虚血発作を含む)の既往のある者や頸動脈硬化の著明な者を重症群,6か月以前に脳卒中発作の既往のある者を中等症群としている.冠動脈硬化症では心筋梗塞発作の既往のある者,内科治療の有効でない狭心症患者を重症群,症状のコントロールされている狭心症患者を中等症群としている.さらに,加齢とともに脳・冠動脈硬化症は進行するので,すべての70歳以上の老年者は無症状でも軽症群として扱っている.
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